ともみ先生の“マタニティライフ”第23回 「第3子出産」
みなさん、こんにちは!無事3人目生んで復帰を果たしました!今回も出産の様子を赤裸々にお話していこうと思います!
皆さんのお察しの通り、第3子の出産は今まで以上に安産かつ短時間でスポんと生まれたのですが、精神的には一番難産でした(;;)どうゆうこと!??笑
出産を目前にしてきっと誰もが思う本音「陣痛やだなーできるだけ早く終わってほしいなー」特に出産を経験したことがある方は、痛みの記憶を思い出しゾッとする・・・なんてこともあるでしょう。これから出産をする妊婦さんを脅すようで申し訳ございませんが、陣痛や出産は本当に本っっ当に痛いです。大きなケガや病気をせずに生きてきた私の人生において、経験したことがない激痛です。何度経験しても決して慣れることはありません。世の中のお母さんは痛みを乗り越えて子どもを産んでいます。これは自然分娩に限ったことではなく、帝王切開も同様だと思います。
帝王切開は、産む瞬間の痛みはないかもしれませんが、麻酔が切れた後の傷の痛み、後陣痛などの痛みがあります。当院のスタッフで、子宮口の拡張を行い、陣痛促進剤を使って長時間陣痛に耐えたにもかかわらず、緊急帝王切開になった強者もおります。
また出産に至る前にもつわりから始まり、検査のための採血やら、点滴やら、産後の会陰部の痛みやら、ホントに痛いこと、つらいことを沢山乗り越えて母になっているのです。どうか世の中の男性には、母になった女性に対してもっと労りや尊敬の念をもって接していただきたいと切に願います。
と、今回熱を込めて私がイタイイタイ言っているのは、自分のしくじりをお伝えすることで、「わたしのようになるなよ!」と言うためです!笑 それではしくじり先生、はじまりはじまり~~
今回も見事に出産予定日を過ぎ、「今日生まれる、明日こそ生まれる!」と毎日ウマレルウマレル詐欺を繰り返していた私です。毎日の日課である夜中のトイレに起きたのが深夜1時。トイレから戻りベットに入った頃、わずかに腹部に痛みが・・・ウマレルウマレル詐欺を繰り返していた私なので、この痛みが陣痛である確信がもてずしばらく様子をみることに。
携帯で時間を見ながら横になっていたら、なんとすでに痛みの間隔が5分であることに気づき、これはヤバイ!とそそくさとベットを抜け出し、荷物をつめ、病院に電話をかけ、夫を起こしてGO!ここまでは、順調な滑り出しでした。問題はここから・・・
病院についてさっそく陣痛室へ通された私。ここで第1のしくじりが発動します。今までの出産において、陣痛が始まって入院したらまず通されるのは病室でした。そこから陣痛の経過や子宮口の開き具合をみながら、出産が近づいてきたと判断されたら陣痛室に移るという手順。今回は入院して即陣痛室!なんとすでに第一ステップをクリアした状態!これはあっという間に産まれるぞ!!やったー!!と浮足立っていました。
そしてこのしくじりにはある刷り込みが影響していました。今までの出産の経過を知っている周囲の人々、そして担当医など多くの方に「陣痛がきたらすぐ産まれるだろう」と繰り返し言われ、すっかり私もその気になっていたのです。
陣痛室に通されたのは2時前。「あと2時間くらいで産まれるかな~ルンルン♪」な~んて甘い考えのもと、徐々に強くなる痛みに耐えていました。しかし世の中そんなに甘くない!!陣痛はどんどん痛くなるのに、陣痛間隔はなかなか縮まりません・・・自分の勝手な思い込みで4時には産まれる!と思っていたら、周囲が明るくなってきてもまだ終わる気配がない陣痛に心が折れそうになる私。付き添っている夫も、3度目ともなると腰をさする手つきはお手の物。がしかし…ただ黙々とさすり続ける夫。
シーンとした室内に私のうめき声だけが響きます(;;)たまにくる看護師さんも、妊婦さんの陣痛はもはや日常茶飯事ですから、さらっとした対応。「陣痛=痛い」「陣痛は病気じゃない」当たり前のことなんですが、激痛に耐えている私にとってこの当たり前は、決して日常ではありません。めっちゃツライんです…
みなさん、女性脳・男性脳という言葉を聞いたことはありますか?女性は共感脳、男性は解決脳といって、女性は共感してもらえると満足できるのに、男性は問題を解決しなければ意味がないと考えるそうなんです。つまり男性は「陣痛の痛みは腰をさすることで緩和する」ということで、妊婦さんを支えようとしている。でも妊婦さんがほしいのは「痛いよね。もう少しだよ。」などという共感の言葉。そのちょっとしたすれ違いが、極限の状況化だと大きなわだかまりになります。
5時をまわり、ついに分娩室に移動することになった私。またしてももう終わる!!と思った瞬間に「あと1時間くらいかな」と先生。……(ガーン)まだあと1時間もかかるの!!?ここでまた心にピキっとひびが入る音が聞こえました。分娩室では陣痛がきてもさすってくれる夫もいません。身がよじれるような痛みにひびだらけの私のハートは崩壊寸前。
1時間と言いつつ、準備は着々と進み、「もういきんでみようか」と先生。痛みに打ちのめされ、産むぞ!という心の準備もできていない私はこの急展開についていけぬままいきんだらメリメリっとこれまた激痛が・・「いったーーい!!」と叫ぶ私…。「頭が出たから旦那さん呼んでください」と先生。
「次の陣痛来たらまたいきむよ」と言われ、またあの激痛がくるの!?もういやぁぁぁぁ…私のひび割れた心はついに崩壊…うわぁぁぁぁんん。そんな私に看護師さんや先生もビックリ(゚д゚)!「ちゃんと生まれますか?」と泣きながら聞く私に、「もうすぐですよ」と先生。最後の力を振り絞っていきんだら激痛とともにスルスルと何かが出てくる感覚が・・・おぎゃぁぁ・・・生まれました・・・
分娩室に入ってたった20分。トータル時間も4時間。2回いきんだだけでスポンと出てきてくれた母親思いの息子。会陰部の傷もなく、産後の縫合もなし。超超安産でした。でも、3人目にして初めて出産で泣いた私。オイオイ泣いている私をみて、夫もちょっとビックリしながらも「頑張ったね。お疲れ様。」と優しく声をかけてくれました。3人目にして初めてカンガルーケアからの授乳も出来ました。どんなに辛い出産であったとしても、赤ちゃんの元気な様子をみるとすべて吹っ飛んでしまうのが出産のすごいところですね。
さて、ここで私のしくじりをまとめます。
① 3人目の出産だからすぐ終わると思い込み、甘い見通しをたてた。
② どんな声掛けをしてほしいかなど夫と出産時の打ち合わせをしていなかった。
③ なにより「どんなことがあっても生んでやる!!」という気合いが足りなかった
今妊娠中もしくは妊娠を希望している女性の皆さん。初めての方はもちろん、何回目の方であっても、出産というものは甘くみてはいけません!でも過度に怖がってもいけません!一番大切なのは「絶対生んでやる!!!!」という気合いです!
どんなに大変な出産であったとしても必ず終わりはきます。そしてその先には可愛い我が子にやっと会える幸せの瞬間が待っています。そのことを胸に留めておいてくださいね。
そしてこれからお父さんになる男性の皆さん。女性は様々な痛みを乗り越えて母親になります。実際それを体験することはかないませんが、ちゃんと知っていてください。そして痛みと戦う妻のサポーターとして一緒に戦っていただきたいです。
母親と違って父親は体の変化がなく急に父親にならなければなりません。そのため気持ちの切り替えが難しいこともあると聞きます。だからこそ出産という初めての試練に共に立ち向かうことで、パートナーとしての絆を強め、今後くるであろう様々な試練を乗り越えていってほしいと願います。